ARCA-SWISS Z1

今回はアルカスイスZ1を詳しくリサーチしたいと思います。Z1はアルカスイス社の代表的な自由雲台です。自由雲台は構造的にブレにくく強いという性質があります。

 

In this post, I’ll review Arca Swiss Z1 ball head. Z1 is the hallmark of Arca Swiss ball head series which is known as solid and rigid.

 

本記事は過去に書いた記事を、High Resolution様(@HighResolutio15)に英訳して頂いたので再度掲載させて頂く事になりました。そのため情報としては若干古い内容もございます。海外の読者様のための実験的な記事ですので、どうぞ御了承ください。

twitter.com

 

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まずは国内代理店のKPI(株式会社ケンコープロフェショナルイメージング)のサイトにあるスペックはこちらとなります。(モノボールZ1(1/4“ネジ仕様のもの))

全 高:105mm
質 量:580g
ベース部直径:70mm
耐荷重:59kg
価 格:¥67,000(税別)

 

Z1 is available in most of famous camera store such as B&H and Adorama. In Japan, KPI is the distributor.

Height : 4.13” (105mm) / Weight : 1.28 lbs (580g) / Base dia. : 2.76” (70mm) / Load Capacity : 130lb (59kg) / Price (B&H as of 3/24/2018) : $319.95

 

まず紛らわしい名称ですが、現在日本で販売されているZ1シリーズには
●モノボールZ1(1/4“ネジ仕様)
●モノボールZ1Rクイック
●モノボールZ1Rフリップロック
●モノボールZ1Rフリップロックダブルパノラミック
の4種類があります。

派生モデルとして「Z1g+」や「Z2+」がありますが、今回は「Z1」のみの説明とさせていただきます。

 

Z1 series have some variation.

Z1 sp with 1/4”-20 / Z1 sp with 3/8” / Z1 sp with quick release / Z1 dp with quick release / Z1 single panorama / Z1 dp with Flip-Lock / Z1 double panorama

Also, Z1g+ and Z2/Z2+ are available in similar system.Sp means Single Pan and dp means Double Pan.Model names are different in each country/area.

 

 

国内販売品で「R」が付くのは、クランプ付きという意味だと思われます。

アメリカの通販サイト「B&H」ではZ1の後に「SP」や「dp」が付きます。
SPはシングルパン、dpはダブルパンの意味でパノラミックアダプターが付いているかどうかの違いです。

英語、スペイン語のカタログでの名称も「dp」が使われており、日本のみ「R」という名称です。

また日本では「クイック」はノブ式クランプを指しますが、「クラシック」が正式名称のようです。フリップロック(レバー式)は全世界共通です。

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モノボールZ1Rフリップロックで、右がダブルパノラミック付きです。拡大して見てみると小さな違いがあります。

 

Left ball head is Z1 dp with Flip-Lock.And right one is Z1 sp with Flip-Lock.

 

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左が「monoball Z」の後に何も無いのに対して、右は「1」と続いています。「Z1」という表記の方が作られた年代が新しい物となります。ただし基本的なサイズや性能に関しては、カタログ的に変化はありません。

 

As you can see, sp has ‘1’ after Z, but dp doesn’t. Newer model has ‘1’ after ‘Z’, but either size and spec are same as older version.Also, sometimes company logo is printed in different side(pictures shown). This is not generation related, just lot related probably.

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上の画像のようにロゴの位置が左右で違うものがあります。これは作られた年代等ではなく、一定の割合で存在するようです。

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大きな変更点としては、首(ステム)の変更です。左側がボールと一体式になっているのに対して、新しいものはツーピース式になっています。この変更が原因で一時期に出荷されていた個体は外れてしまう不具合が起こる可能性があるそうです。

 

The biggest point between newer(Z1 logo) and older(Z logo) model is the shape of stem(neck).Newer model is 2-piece style instead of older 1-piece design. But, according to Wimberley website, this change may cause break off the stem itself.

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参考資料:Wimberley社

これが本当だとすれば恐ろしいことですが、実際に首の抜けた画像などは1枚も発見されておらず、若干都市伝説化している節があります。また大騒ぎになった2008年以降、仕様の変更にともない不具合は1件も発生していないとのことです。

 

But so far no breakage has been reported since 2008, it should be OK.

 

もうひとつ忘れていました。昔のZ1はクランプとボールは普通にネジのみの固定であったのに対して、最近はかなり強いロックタイトで固定しています。これは他社製(例えばKIRKやReally Right Stuff)のクランプに交換してほしくないという社の意思なのだとか。またクランプの交換は原則認めていないため、交換を行うと改造とみなされ正規の保証が受けられなくなる可能性がありますので、注意が必要です。

 

One important change made by Arca Swiss is fixed screw. Recently many people are complaining how tight the screw is fixed. This is because Arca Swiss doesn’t like the trend which many people are switching clamps to RRS or Kirk from original Arca Swiss one.

 

しかしアルカスイス社の純正クランプはfixという新しい規格のプレートと、従来から使われてきた規格のプレートの、両方とも固定できるようになっています。そのため2段式になっており、若干使いにくいと言わざるを得ません。Z1を快適に使うにはクランプの交換は必須だと私は思います。

 

But I still would like to recommend to switch the clamp due to the inconvenience of current Arca Swiss’s original clamp. It is designed to take two different clamp design, one is typical Arca Swiss, the other is new design called ‘fix’. With this hybrid design, it will be clumsy to use.

 

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外すとこのようになっています。

 

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クランプは色んな国の色んなメーカーから販売されています。しかしZ1に装着できるものは限られています。装着可能な条件としてZ1のステムのホゾとクランプ裏の溝の幅が一致することと、M8ネジが貫通すること、上から皿ネジで固定するのでクランプのネジ穴(もしくは穴)上部がザグリ加工されている事(またはボルトの頭が完全に隠れ、プレートに干渉しないこと)。この3つの条件が揃わないと装着できません。仮にできたとしても条件がひとつでも欠けていると後々不具合が発生してしまう可能性があるので注意が必要です。

 

Once the screw is removed, you can switch the clamp. But keep in mind, this stem has unique design, you should choose right clamp to install.There are several clamps are available in the market.

 

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私が知っている中ではKIRK、Really Right Stuff、HejnarPhotoのクランプは装着が可能でした。(Really Right StuffのRRS B2-LR-PGは不適合でした)FOBA、sunwayfoto、BENROはミゾがあるクランプがありますが、いずれも幅が狭く適合しませんでした。ただし適合したという画像や記事を見た事がありますので、上記メーカーでも種類によって装着可能なものもあるようです。

 

I confirmed that the clamp from RRS, Kirk and Hejnar can be installed except B2-LR-PG from RRS. I tried to install same style from FOBA, Suwayfoto and Benro, but no success. But there are some reports on the web that they could be installed.

 

ボールの直径はメーカー発表では50mmとなっていますが、実寸はもう少しありそうです。実際にボールを取り出して測っていませんが、溝の深さから算出すると54~56mmくらいだと思います。しかしアルカスイスのボールはやや卵型の形状ですのでもっとも小さい部分は50mmなのかもしれません。このボールをお椀型の受け皿が下から持ち上げて固定する方式です。下から持ち上げますので若干構図のズレが発生します。また楕円形ボールのため、真上ではなくやや斜め上に構図がズレるのが、アルカスイス社の雲台の特徴です。

 

The ball diameter on paper is 50mm, but calculation from groove depth, seems like diameter is 54 to 56 mm. But as you know, Z1’s ball is not actual round shape, it is aspherical shape like an egg. Maybe smallest part diameter is 50mm.

 

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メインノブは非常に握りやすい大きさだと思います。巻いてあるゴムもホコリが付きにくい素材で、カメラのグリップのような、ねちゃつきもありません。

 

Regarding main knob, this is well designed and easy to grip and rotate. It is covered by rubber which provides dry feeling and good grip.

 

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高さは70mm。クランプのレバーやサイドキック、三脚のベース部分などに干渉しない理想的な高さです。

 

Overall height is 2.76”(70mm), compact enough and no interference between tripod base or clump.

 

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パンベースはマグネシウム合金です。

Panning base is made by Magnesium alloy and 70mm diameter.

 

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メーカー発表では70mm。

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下から。大きな穴は三脚穴で、3/8インチ(太ネジ)です。小さな穴はパンベースの隠しネジを外す際に使うための穴です。隠しネジは2mmネジが使われています。

 

Ball head has 3/8” size thread in the center. You can see small allen(2mm Hex) screw in the picture, this is hidden screw when removing a screw of panning base.

 

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中央の三脚穴から覗くと、シャフトが見えます。これはスチール製で錆びやすい部分です。中古で購入する場合はここをチェックしてください。この部品単体では販売されていないため、修理の場合はフランスの本社送りとなります。

 

See through the 3/8” thread hole, you will find a shaft. This shaft is made by steel and easy to get rust. If you will buy used Z1 head, please check this shaft if it is not stained. You cannot change this shaft by yourself. Only way for fix is sending to Arca Swiss in France.

 

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涙型のパンノブは最初使いにくいと思いましたが、一世代前のB1やマーキンスの丸形パンノブを使ってみて、優れた形状だと気付きました。ただ回すとパンベースよりも下になるため、ジッツオのシステマティックのベースのように広いものだとパン操作時に引っかかってしまう可能性があります。またクルクルと回し続けると外れてしまいます。さほど難しい技術ではないので、止めネジ加工くらいはしてほしかったと思います。

 

Panning knob is tear drop shaped which enables to rotate the knob easy. But when narrow angle side is facing down, it will be below than panning base and may cause interference.

 

メインハンドルに付いている数字は指で動かして、自分で位置決めできます。フリクションを変えた場合に、数字を変えておくと固定の度合いが一目で分かるので重宝します。フリクションの調整はノブ側面の小さなギザギザの丸いボタンで行います。ハンドルをロックした状態で右に回せば強くなり、左に回せば緩くなります。

 

Numbers are marked on the main knob, this shows friction level. Higher number means bigger tightening torque.The small spikey knob works as friction torque adjuster. Rotate clockwise gains more torque and counterclockwise makes less torque.

 

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ステムを溝に倒すとほぼ90度に傾きます。傾き過ぎることがないので、縦位置構図で撮りたい時や、サイドキック使用時に便利です。

 

The body has a groove which enables to tilt clamp as 90 degrees. This part is well made and you could get almost exactly 90 degrees tilted angle.

 

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今回は互換性の高いKIRKのクランプにしました。

 

This is the combination with Kirk clamp.

 

メーカー発表の耐荷重は「59kg」となっています。実際に私が行った耐荷重テストでは

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14630gのまでは耐えることができました。これ以上は重りがなかったため断念しました。ちなみにこの重さを耐えきった自由雲台は、私の持っている雲台では他にありませんでした。それにしても雲台にかかる力のモーメントは相当なものだと推測できます。ただし「耐えられる=快適に操作できる」ではありません。快適に使用できる耐荷重は三脚座使用で7kg程度まで、三脚座不使用の場合は4kg程度までと考えておいた方が良いでしょう。

 

Officially load capacity is 130lb (59kg), but when I tested in my way, Z1 could hold 32.3lbs(14.63kg) weight. This number is relatively smaller than 130lbs, but no other head includes from RRS could hold this weight. I mean this is the best load capacity ball head in the world.But, one thing I would mention is this 32.3lbs is not the load that can handle easily. Just my feeling, it will be able to hold up to 15.4lbs(7kg) with tripod base.

 

最後に操作感ですが、こればかりは個人の好き好きがありますから評価が難しいところです。ただヌルヌルとしたまとわりつくような操作感は、他のメーカーでは味わえません。

 

For operation feeling, this is pretty much depends on individual preference. Tough to value, but I like the Z1’s well torqued smooth operation.

 

持ち歩きができる現実的な重さ、ほとんどの機材をカバーする耐荷重、ブレに強い構造、快適な操作感、高級感のあるデザイン。価格は少々高いですが、非常に満足度に高い自由雲台だと思います。

 

ConclusionConclusion

[Pros] ①Small size, light weight ②Very good load capacity ③ Stable and well-constructed ④ Easy to operate ⑤ High quality with simple design
[Cons] Clamp, clamp and clamp ② High price

 

 

以下、ギャラリーです。 Below, the gallery

 

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