ジッツオ GITZO GH3382QD
今回はジッツオ Gitzo GH3382QD を詳しくリサーチしたいと思います。GH3382QDはジッツオ社の雲台の中でもっとも最新モデルです。これまで独特だったジッツオの自由雲台からフルモデルチェンジし、ごく一般的な形状の自由雲台へと生まれ変わりました。
自由雲台の長所・短所について詳しく知りたい方は、まずはこちらをお読み下さい。
見た目のフォルムは女性的な美しいフォルムです。ジッツオ伝統のノアールデコールでコーティング塗装され、ジッツオファンにはたまらないデザインでしょう。
裏側です。軽量化のための肉抜きか、はたまたデザインか、窓が開けられています。分解してボールや樹脂が外せる形状になっているようですが、パーツリストには取り外し部品が掲載されていません。
Spare parts not available. Do not attempt to repair. Please contact the Gitzo distributor to arrange repair service. と書かれています。本体部分の破損等に関しては、ジッツオの日本ディストリビューターであるマンフロットに修理を依頼するしかなさそうです。
ボールの大きさが近い製品と並べてみました。アルカスイスZ1やReally Right Stuff BH-55に比べて随分腰高です。プレート設置面までの高さは11.5cm。メーカー発表の最大耐荷重は18kg。メーカー発表値こそかなり差がありますが、実際はZ1と比べても遜色無いほどの固定力を持っています。
重さは実測で701g。ボール径が50mmで潤滑特性に優れた素材、二硫化タングステンのコーティングをボールに施した事によって、滑らかな操作性を実現。サラサラとした操作性で、フリクションが掛かっても引っかかりは感じません。
上から見ると三角形の形状をしています。きちんと120度毎にノブやハンドルが配置されている理由は、トラベラー三脚をたたんだ時に干渉させないようにするためです。雲台のボディがくびれているのも、同じ理由からです。
メインハンドルにはフリクションコントロールが搭載されています。非常に繊細な調整が可能で、ここは加点です。しかし簡単に回ってしまうので、ちょっとした弾みに調整が変わってしまう可能性があります。メインハンドルは少ない回転で固定できます。全体的にハンドル、ノブは操作しやすいのは良いのですが、軽過ぎるように感じました。この辺りは個人の評価が分かれるかもしれません。独立したパンロックは非常に良いです。締め緩めによるガタツキは一切なく、しっかり止まり、軽い力で緩められます。パン自体も軽過ぎず、重過ぎず、丁度良い操作感です。
ベース側直径は60mm。トラベル三脚やハスキーのベースより若干大きめです。底面にはシリアルナンバーとQRコード、型番が記載されています。
バブル水準器の精度はなかなか良いと思います。
クランプはアルカスイス互換ですが、外した所で他社製クランプとの互換性はありません。他社との互換性を重視してほしかったところです。
滑落防止用のピンがかなり邪魔ですので、ネジを外して使う方が圧倒的に操作しやすいです。ただしロックタイト処理がしてあり、ネジも細いので、ネジ山をなめないように、慎重に外しましょう。クランプのデザインはイマイチだと思います。
ボールは真円で、中は空洞です。
自由雲台特有の固定時のズレもチェックしてみました。
ブロック半個分下方向にズレが発生しています。とは言え、この程度のズレは特別大きい訳ではありません。KIRKのBH-3と同程度です。もちろんもっとズレの少ない製品もありますので、シビアな目で見れば問題点です。
2016.6.24現在の最安価格が55800円でアルカスイスZ1やKIRK BH-1とほとんど変わりませんので、ここが悩む所ですね。
引用元記事