読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アルカスイスZ1

ARCA-SWISS

今回はアルカスイスZ1を詳しくリサーチしたいと思います。Z1はアルカスイス社の代表的な自由雲台です。自由雲台は構造的にブレにくく強いという性質があります。

 

blogs.yahoo.co.jp

 

自由雲台の長所・短所について詳しく知りたい方は、まずはこちらをお読み下さい。

blogs.yahoo.co.jp

 

f:id:arcaswiss:20160614131526j:plain

まずは国内代理店のKPI(株式会社ケンコープロフェショナルイメージング)のサイトにあるスペックはこちらとなります。(モノボールZ1(1/4“ネジ仕様のもの))

全 高:105mm
質 量:580g
ベース部直径:70mm
耐荷重:59kg
価 格:¥67,000(税別)

 

まず紛らわしい名称ですが、現在日本で販売されているZ1シリーズには
●モノボールZ1(1/4“ネジ仕様)
●モノボールZ1Rクイック
●モノボールZ1Rフリップロック
●モノボールZ1Rフリップロックダブルパノラミック
の4種類があります。

派生モデルとして「Z1g+」や「Z2+」がありますが、今回は「Z1」のみの説明とさせていただきます。

 

国内販売品で「R」が付くのは、クランプ付きという意味だと思われます。

アメリカの通販サイト「B&H」ではZ1の後に「SP」や「dp」が付きます。
SPはシングルパン、dpはダブルパンの意味でパノラミックアダプターが付いているかどうかの違いです。

英語、スペイン語のカタログでの名称も「dp」が使われており、日本のみ「R」という名称です。

また日本では「クイック」はノブ式クランプを指しますが、「クラシック」が正式名称のようです。フリップロック(レバー式)は全世界共通です。

f:id:arcaswiss:20160614131711j:plain

 

 

モノボールZ1Rフリップロックで、右がダブルパノラミック付きです。拡大して見てみると小さな違いがあります。

f:id:arcaswiss:20160614131913j:plain


左が「monoball Z」の後に何も無いのに対して、右は「1」と続いています。「Z1」という表記の方が作られた年代が新しい物となります。ただし基本的なサイズや性能に関しては、カタログ的に変化はありません。

f:id:arcaswiss:20160614131952j:plain

 

上の画像のようにロゴの位置が左右で違うものがあります。これは作られた年代等ではなく、一定の割合で存在するようです。

f:id:arcaswiss:20160614132042j:plain

大きな変更点としては、首(ステム)の変更です。左側がボールと一体式になっているのに対して、新しいものはツーピース式になっています。この変更が原因で一時期に出荷されていた個体は外れてしまう不具合が起こる可能性があるそうです。

f:id:arcaswiss:20160614132140j:plain

f:id:arcaswiss:20160614140748j:plain

参考資料:Wimberley社

これが本当だとすれば恐ろしいことですが、実際に首の抜けた画像などは1枚も発見されておらず、若干都市伝説化している節があります。また大騒ぎになった2008年以降、仕様の変更にともない不具合は1件も発生していないとのことです。

 

もうひとつ忘れていました。昔のZ1はクランプとボールは普通にネジのみの固定であったのに対して、最近はかなり強いロックタイトで固定しています。これは他社製(例えばKIRKやReally Right Stuff)のクランプに交換してほしくないという社の意思なのだとか。またクランプの交換は原則認めていないため、交換を行うと改造とみなされ正規の保証が受けられなくなる可能性がありますので、注意が必要です。

 

しかしアルカスイス社の純正クランプはfixという新しい規格のプレートと、従来から使われてきた規格のプレートの、両方とも固定できるようになっています。そのため2段式になっており、若干使いにくいと言わざるを得ません。Z1を快適に使うにはクランプの交換は必須だと私は思います。

blogs.yahoo.co.jp

 

blogs.yahoo.co.jp

blogs.yahoo.co.jp

blogs.yahoo.co.jp

 

f:id:arcaswiss:20160614133053j:plain

 

外すとこのようになっています。

 

f:id:arcaswiss:20160614133129j:plain

 

クランプは色んな国の色んなメーカーから販売されています。しかしZ1に装着できるものは限られています。装着可能な条件としてZ1のステムのホゾとクランプ裏の溝の幅が一致することと、M8ネジが貫通すること、上から皿ネジで固定するのでクランプのネジ穴(もしくは穴)上部がザグリ加工されている事(またはボルトの頭が完全に隠れ、プレートに干渉しないこと)。この3つの条件が揃わないと装着できません。仮にできたとしても条件がひとつでも欠けていると後々不具合が発生してしまう可能性があるので注意が必要です。

 

blogs.yahoo.co.jp

 

blogs.yahoo.co.jp

 

f:id:arcaswiss:20160614133408j:plain

私が知っている中ではKIRK、Really Right Stuff、HejnarPhotoのクランプは装着が可能でした。(Really Right StuffのRRS B2-LR-PGは不適合でした)FOBA、sunwayfoto、BENROはミゾがあるクランプがありますが、いずれも幅が狭く適合しませんでした。ただし適合したという画像や記事を見た事がありますので、上記メーカーでも種類によって装着可能なものもあるようです。

 

ボールの直径はメーカー発表では50mmとなっていますが、実寸はもう少しありそうです。実際にボールを取り出して測っていませんが、溝の深さから算出すると54~56mmくらいだと思います。しかしアルカスイスのボールはやや卵型の形状ですのでもっとも小さい部分は50mmなのかもしれません。このボールをお椀型の受け皿が下から持ち上げて固定する方式です。下から持ち上げますので若干構図のズレが発生します。また楕円形ボールのため、真上ではなくやや斜め上に構図がズレるのが、アルカスイス社の雲台の特徴です。

blogs.yahoo.co.jp

 

f:id:arcaswiss:20160614133730j:plain

メインノブは非常に握りやすい大きさだと思います。巻いてあるゴムもホコリが付きにくい素材で、カメラのグリップのような、ねちゃつきもありません。

f:id:arcaswiss:20160614133751j:plain

高さは70mm。クランプのレバーやサイドキック、三脚のベース部分などに干渉しない理想的な高さです。

f:id:arcaswiss:20160614133912j:plain

パンベースはマグネシウム合金です。

f:id:arcaswiss:20160614133936j:plain

メーカー発表では70mm。

f:id:arcaswiss:20160614134024j:plain

下から。大きな穴は三脚穴で、3/8インチ(太ネジ)です。小さな穴はパンベースの隠しネジを外す際に使うための穴です。隠しネジは2mmネジが使われています。

f:id:arcaswiss:20160614134052j:plain

中央の三脚穴から覗くと、シャフトが見えます。これはスチール製で錆びやすい部分です。中古で購入する場合はここをチェックしてください。この部品単体では販売されていないため、修理の場合はフランスの本社送りとなります。

f:id:arcaswiss:20160614134126j:plain

涙型のパンノブは最初使いにくいと思いましたが、一世代前のB1やマーキンスの丸形パンノブを使ってみて、優れた形状だと気付きました。ただ回すとパンベースよりも下になるため、ジッツオのシステマティックのベースのように広いものだとパン操作時に引っかかってしまう可能性があります。またクルクルと回し続けると外れてしまいます。さほど難しい技術ではないので、止めネジ加工くらいはしてほしかったと思います。

 

メインハンドルに付いている数字は指で動かして、自分で位置決めできます。フリクションを変えた場合に、数字を変えておくと固定の度合いが一目で分かるので重宝します。フリクションの調整はノブ側面の小さなギザギザの丸いボタンで行います。ハンドルをロックした状態で右に回せば強くなり、左に回せば緩くなります。

 

blogs.yahoo.co.jp

 

f:id:arcaswiss:20160614134345j:plain

ステムを溝に倒すとほぼ90度に傾きます。傾き過ぎることがないので、縦位置構図で撮りたい時や、サイドキック使用時に便利です。

 

f:id:arcaswiss:20160614134807j:plain

 

今回は互換性の高いKIRKのクランプにしました。

blogs.yahoo.co.jp

blogs.yahoo.co.jp

 

メーカー発表の耐荷重は「59kg」となっています。実際に私が行った耐荷重テストでは

f:id:arcaswiss:20160614135101j:plain

f:id:arcaswiss:20160614135131j:plain

14630gのまでは耐えることができました。これ以上は重りがなかったため断念しました。ちなみにこの重さを耐えきった自由雲台は、私の持っている雲台では他にありませんでした。それにしても雲台にかかる力のモーメントは相当なものだと推測できます。ただし「耐えられる=快適に操作できる」ではありません。快適に使用できる耐荷重は三脚座使用で7kg程度まで、三脚座不使用の場合は4kg程度までと考えておいた方が良いでしょう。

 

最後に操作感ですが、こればかりは個人の好き好きがありますから評価が難しいところです。ただヌルヌルとしたまとわりつくような操作感は、他のメーカーでは味わえません。

 

持ち歩きができる現実的な重さ、ほとんどの機材をカバーする耐荷重、ブレに強い構造、快適な操作感、高級感のあるデザイン。価格は少々高いですが、非常に満足度に高い自由雲台だと思います。

 

blogs.yahoo.co.jp

 

 

以下、ギャラリーです。

f:id:arcaswiss:20160707131722j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131741j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131800j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131822j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131840j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131859j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131921j:plain

f:id:arcaswiss:20160707131943j:plain